みなさんはどんなキャッチコピーが好きですか?
心がジーンとするような暖まるコピーでしょうか。あるいは気持ちを奮い立たせるようなコピー。
ハッとするような新しい発見やこういう見方があるのか!と気が付かせてくれるコピー。
など色々な理由から好きなコピーがあると思います。
今回は自分が一番好きなコピーを研究していきます。
This is サイコーにちょうどいいHonda!
もしかしたらこのCMで覚えていらっしゃる方がいるかもしれないですね。
△と□と外国人の方がカタコトでちょうどいい!と連呼するCM。
これが自分が一番好きなコピー。
この外国人の方は、ジョン・レノンの息子ショーン・レノンさんです。
キャッチコピーの分析
それではこのキャッチコピーを届けたい物(商品)と届けたい相手(ユーザー)という切り口から分析していきたいと思います。
届けたい物(商品)
今回の届けたい物(商品)はもちろんHondaのFREEDです。
このFREEDはコンパクトカーとミニバンのいいとこ取りの車。
これはポジティブなものの見方をした場合の表現。
これをネガティブなものの見方をした場合は、”中途半端”ということができる。
この中途半端な商品をユーザーに買ってもらわないといけないというのが難しいところ。
なにかに極端にふれているものは好き嫌いがハッキリしているので楽だがちょうど真ん中を狙った商品というのが難しい。
届けたい相手(ユーザー)
今回届けたいユーザーは小さいお子様がいる家族向け。
本来想定しているのはもっともっと細かく、どういう生活をしていて、どういう消費行動を好んで…というのがあるとは思いますが今回はざっくりと小さいお子様がいる家庭。
まだ子供が習い事をはじめていないのでとにかく大容量というわけではないが、コンパクトカーでは子供と荷物を乗せるには小さいという人たち。
ネガティブ→ポジティブ変換
さて、この中途半端な車と小さいお子様がいる家族をどう結びつけるか。
それが”ちょうどいい”という言葉。
”中途半端”というネガティブワードを”ちょうどいい”というポジティブワードに変換している。
そして家族とFREEDを結びつけている。
この中途半端をちょうどいいと言い換えることで、日本人の中間好きを絶妙に刺している。
中途半端=中の下→ちょうどいい=中の上
という印象を与えることができている。
そして、これはすごく大事なのがセールスでとても使いやすい。
◯◯くん/ちゃんという◯歳のお子様がいらっしゃる◯◯様には本当にちょうどいい車です。 と言えるのはとてもとても強い。
セールストークに使えるキャッチコピーはめったに無いのではないのだろうか。
ご本人による補足
今回のキャッチコピーの分析Tweetに対してありがたいことに照井晶博氏ご本人に補足していただけました。
広告賞の受賞のように派手に話題になったわけでもないが、実際に商品が売れるということに貢献ができているのはコピーとして何より大事なことがあるのではないのだろうか。
照井氏も書いているようにちょうどいいという考え方やFREEDを取り巻く時代の流れも変化しているのでしょう。
まとめ〜やはりサイコー!〜
ありがたいことにコピーを担当した照井氏に補足をいただけた。
そしてこのネガティブ→ポジティブの切り口はすごく大切な考え方。
どうしてもその商品のネガティブなところが先行してしまうとき、それをポジティブな言葉に変換するとどうなる?という考え方でコピーを考えてみよう。
逆にポジティブな面をネガティブなワードに変換してみると新しい一面がみれてコピーの幅が広がるかもしれない。
キャッチコピーはそれらしい言葉を述べることではない。
商品と向き合ってそれに対して新しい発見を提供できるかどうかだと思う。
最後に
このブログでは言葉によってもう少しだけ人生を楽しくさせるためにキャッチコピーやボディコピー、タグラインの研究していきます。
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